あるプロダクトマネージャーが、まっすぐに聞いてきた。「なんでうちのチップにBluetooth載せないの?」いい質問だ。正直な答えを出すのに、1週間分のスプレッドシートと、CFOとの気まずい会議が1回必要だった。

値札なんて嘘だ

量産すればBluetoothモジュールは1個3〜5ドルだ。素のSoCなら1ドル20セント。BOMだけを見ていれば、SoCの勝ちが明白で、会議は5分で終わる。でもBOMってのは見やすい部分だけだ。そして見やすい部分が、命取りになることはめったにない。

NREこそが本当の税金

ワイヤレス製品の認証は、ただのチェックボックスではない。FCC、CE、日本が対象ならTELEC——どれも試験を求め、金を求め、数ヶ月を求めてくる。カスタム基板のRF認証全体で1万5千〜4万ドルかかり、6〜12ヶ月の期間を食う。しかも、この経験があるRFエンジニアが必要だ。「なんで自作しないんだ?」と聞くチームの大半には、その人がいない。1製品のために採用するのもまた、悪い取引だ。

モジュールが正解なとき

少量なら話は明らかだ。年5万台未満なら、SoCで得られる1個あたりの削減額は、前払いした認証費用を回収できない。もう1つはスピードだ。Bluetoothモジュールなら、アンテナもスタックも済んだ状態で、午後のうちに基板に載る。RFチームがいない? その仕事はモジュールが黙ってやってくれる。4ドルで。

自作が実際に報われるとき

20万台を超えると、計算は逆転する。その4ドルの差は年間80万ドルになる——認証とエンジニアを養うには十分すぎる額だ。そして、その無線が製品の全ての売りなら、それを握ることは、モジュールが触らせてくれないところを調整できることを意味する。年200万台出荷するチームを、私は見てきた。彼らにとってSoCは選択肢ではなかった。利益を確保できる唯一の道だった。

誰も警告してくれない罠

ここが痛いところだ。事前認証済みのBluetoothモジュールを買えば、そのモジュラー認証を引き継げる——製品はだいたい、モジュールの書類に乗っかっていける。自作なら、リビジョンごと、配線が1本動くたびに、デバイス全体を認証し直す。モジュールは金だけを節約するんじゃない。基板が直前に変わったとき、自分自身からあなたを救ってくれる。

いると忘れていたデバッガ

SoCなら、ファームウェアをlink layerまで自分のものにする。ペアリングが止まったら、あなたが掘る。モジュールなら、出来上がったスタックとATコマンド用のUARTを渡してくれる——制御は減るが、痛みはずっと減る。「柔軟性」を理由にSoCを選んで、買えていたスタックを四半期まるごとデバッグして過ごしたチームを、私たちは見てきた。使わない柔軟性は、名前のいい借金にすぎない。

私たちが実際に出荷したもの

理論じゃなく、具体的な話をしよう。年3万台のセンサータグを作るクライアント——そこにBluetoothモジュールを載せて、9週間で立ち上げてもらった。RFラボを開けることは一度もなかった。別のクライアント、年200万台のコンシューマーガジェット——SoCでいき、NREを飲み込み、1個あたりの削減額で次の製品を賄った。同じ問いに、逆の答え。理由は数量が逆だったからだ。実際の出荷台数に触れれば生き残るルールなんてない。

誰も口にしないこと:サプライチェーン

モジュールは1社のフットプリントとリードタイムに縛り付ける。2021年の不足のとき、交換できなかった多くのチームがこれで痛い目を見た。SoCなら自分で調達するが、在庫と陳腐化も自分のものになる。どちらも安全じゃない。一方はリスクをサプライヤーに渡す。もう一方はそれをあなたに返す。

もう一度やるなら

スプレッドシートを開く前に、1つの質問をするだろう。本当にいくつ売るのか、そしてその無線は売りにとって重要か? 5万未満か、さっと出したいなら、Bluetoothモジュールを買って寝よう。20万超で、無線が差別化なら、SoCを自作して、その痛みを予算に入れろ。中間はコイントスだ。それが、この話について正直に言える唯一のことだ。